- 速く書かれた文字は、鑑定できますか?
文字の字画構成が把握できれば、鑑定が行えます。
但し、鑑定する文字と比較する文字の筆記速度(文字が書かれた早さ)はある程度、整合していなければなりません。
例えば、鑑定文字はサインのような殴り書きなのに対し、対照文字は丁寧にゆっくり書かれていると鑑定不能となってしまいます。
- 定規を使って書いた文字は鑑定できますか?
鑑定できますが、通常の鑑定より、精度が劣ります。
嫌がらせの手紙を書くときに自分の筆跡をごまかそうとして、写真の様に定規を使って文字を書くケースが多々あります。
このような場合、文字の筆記個性が完全に失われても文字と文字の間隔、大きさ、書かれる位置などは影響されず、筆記者の個性がそのまま現れるため、鑑定ができます。
また、完全に機械的に書かれてしまったら、鑑定はできませんが、文章が長くなると文字が機械的でなくなり、個性が現れる場合があります。
- 壁に書かれた落書きは鑑定できますか?
非常に鑑定が困難です。
壁に書かれた文字は、腕全体を使って文字を書いているので、普段の個性が現れにくいです。
さらに、スプレーを使って書いている場合が多く、書き癖の抽出が困難となります。
- 写真で撮った文字は鑑定できますか?
鑑定できます。
ただし、文字を真正面で撮った写真に限ります。なぜなら、斜めから撮った写真だと、文字が歪んでしまい、正確な文字の把握ができなくなってしまうからです。
- 嫌がらせ手紙の発信者を特定する方法はありますか?
指紋鑑定と筆跡鑑定で特定することができます。
まず、嫌がらせ手紙が手書きの場合は、筆跡鑑定を行うことができます。これは、嫌がらせ手紙に書かれた文字とその疑いがある人の文字を比較して、発信者を特定する方法です。
次に、嫌がらせ手紙が印字されたものであっても指紋鑑定が行えます。これは、嫌がらせ手紙から指紋を検出し、その指紋と疑いのある人の指紋を照合して、発信者を特定する方法です。
- コンピューターで指紋の鑑定はできますか?
よくドラマなどで、コンピューターを使い、指紋を重ねて鑑定をしている場面が見受けられますが、実際はあのようにはできません。
コンピューターは、膨大な指紋のデータから似ている指紋を抽出するのに使います。
そして、抽出した指紋を鑑定人が目視でひとつひとつ照合して、最終的に一致するか否かを判断しているのです。
- 似ている指紋はありますか?
指紋は当然に一人一人違うのですが、たくさんの人がいるので、似ている指紋は数多く存在します。
それこそ、パッと見ただけでは同じ指紋と勘違いしてしまうものもあります。
このような指紋は、撮影した写真を拡大させて、特徴点(指紋線の途切れなど)を比較して同じかどうかの判断をします。
- 筆記時期が離れているものでも鑑定はできますか?
基本的に、10年までなら鑑定が可能です。
人は年数が経過すると筆跡が変化しますので、10年以内を鑑定可能としています。
しかし、学生や初就職の時期は筆跡の変動が激しいので、10年以内であっても鑑定ができない場合があります。
- 指紋に種類がありますか?
指紋の模様は、大きく分けて以下の4種類に分けることができます。
●渦状紋(かじょうもん)
●蹄状紋(ていじょうもん)
●弓状紋(きゅうじょうもん)
●変体紋(へんたいもん)さらに、この4種類の中でも、指紋線の流れ方などにより、細かく分類されています。
- 一生のうちに指紋は変わりますか?
指紋は一生変わることはありません。
この、指紋が一生変化しない事を、「終生不変」と呼んでいます。
しかし、子供から大人になるにつれて、手や指も大きくなるので、指紋の線と線の間隔もわずかながら拡がり、全体的に大きくなります。