よくあるご質問

検出と採取の違いはなんですか?

「検出」と「採取」は、同じ意味にとらえられがちですが、実は明確に違いがあります。

「検出」とは、そこに存在しているものを顕在化(見えるようにする)する行為、
「採取」とは、そこにあるものを法的に確保する行為を言います。

例えば指紋ですと、物件に薬品をつけて指紋を見えるようにする行為が検出となり、その指紋を写真撮影して確保する行為が採取となります。

紙類から指紋は検出できますか?

もちろん検出できます。
紙類は指紋が検出しやすい物件の一つです。特に一般的なコピー用紙は検出の期待性が高いです。
逆に、和紙など表面に凹凸があるものは検出の期待性は低いです。

指紋を見て男性か女性かわかりますか?

ある程度は分かりますが、はっきりとは断定することはできません。

形が大きく、指紋線が太い指紋は男性の場合が多く、逆に、形が小さくて、線が細い指紋は女性の場合が多いです。
しかし、男性でも細い指の人もいますし、女性でもしっかりとした指の人がいるように、形の大きさや線の太さだけでは、はっきりと言えません。

検出された指紋が何指か分かりますか?

ある程度の推定はできます。
指紋の大きさ、紋様、付着した指紋の向きなどから何指なのかを推定します。
しかし、あくまで推定なので、残念ながら断言できるほどではありません。

雨が降った後でも指紋は検出できますか?

検出を行うことはできますが、期待度は下がってしまいます。

そもそも、指紋がなぜ検出されるかというと、物に触れることで手に付いている油分が付着するからです。
検出というのは、そこに薬品をかけて指紋を見えるようにしていることを指します。

仮に、元々手に油分が多かったり、雨が弱く、油分も残存していれば指紋は検出されますが、雨に強くあたることによって油分が流されてしまうと指紋は消滅してしまいます。

 

実際の現場がなくなってしまったのですが、鑑定できますか?

鑑定できます。
実際の現場がないのに、どのようにして鑑定を行うかと言いますと、現場の写真や動画を使用します。この場合は、写真が3~4枚程度ではなく、現場をくまなく撮影したものが必要となります。
また、現場にあった物からでも鑑定ができます。例えば、交通事故の場合は、被害者の着ていた洋服、衝突した車、ヘルメットなどがあります。

現場痕跡鑑定ってなんですか?

現場痕跡鑑定とは、事件があった場所で事件に関わるものを発見・収集して、科学的な鑑定を行い、現場でどのよう事が起こったのかを的確に把握することです。
主な鑑定の種類としては、足跡鑑定、血痕鑑定、タイヤ痕鑑定、擦過痕鑑定、破壊痕鑑定などがあります。

※現場痕跡鑑定の詳細は、こちらをご覧下さい

指紋が付いてる物件は、どのように扱えば良いですか?

物件の取扱は大きく分けて紙製のものとそれ以外のものに分かれます。
紙製のものは、こすっても指紋が破壊されないので、そのまま封筒に入れておけば大丈夫です。
それ以外のガラス、プラスチック、陶器、ビニール、鉄類などは、こすれると指紋が破壊されてしまうので、ジップ袋などに入れておき、あまり物件を動かさないようにして下さい。
また、物件に触るときは必ず手袋をして下さい。なぜなら、犯人の指紋が付着している所を触ってしまうと、指紋が重なり、鑑定ができなくなってしまいます。

ハンコの代わりに指紋を押しても大丈夫ですか?

その書類によります。
遺言書や違反手続文書(交通違反切符など)は、指紋で代用された判例があります。しかし、手形、小切手などは、拇印だと真偽の判断が難しいという理由で、代用が認められていません。

利き手でない方で書いた文字で鑑定はできますか?

鑑定できません。
個人が記憶している文字の形は個人差があり、それが個性となって表れるため、筆跡鑑定が行えます。
しかし、利き手でないほうで書いた文字は、あまりにも乱雑で書き癖が再現されないので残念ですが鑑定ができません。