- オーストリッチの財布から指紋は採れますか?
革製品は皮を柔らかくするための薬品が染みこんでおり、その薬品が指紋をつきにくくし、消滅させてしまう働きがあるため、残念ながら指紋が検出される可能性が非常に低いです。
一般的に、触って3日以内であれば検出される可能性がありますが、それを過ぎてしまうと指紋が採れなくなってしまいます。
また、オーストリッチは表面がボコボコしているので、指紋線が途切れてしまい、綺麗に採れないおそれがあります。
しかし、財布の内側なら凸凹がないので指紋が採れる可能性があります。
- 指紋の一部からでも個人の特定はできますか?
指紋は一部からでも個人の特定ができます。
目安としては指の3分の1の面積があれば、鑑定ができます。ちなみに、実務では指の全体が検出される方がめずらしく、ほとんどが部分的な指紋です。
それでも様々な機器を使いながら鑑定を行い、個人を特定しております。
- 手術用の手袋をしていると指紋は出ないのですか?
手術用の薄いゴム手袋をしていても、物に強く触れば、指紋が残る場合があります。
しかし、これは実験として意図的に強く触って指紋が残る程度なので、実際の案件で残る可能性は非常に低いです。
- 筆跡鑑定に資格はありますか?
資格そのものはありません。
また、人によって学んだ学問が異なるため、鑑定の方法もバラバラとなってしまっています。
主な鑑定人の出身は、
1.元警察の出身者
2.書道家の出身者
3.筆跡心理診断の出身者
ここで、どの出身者が良いとは申しませんが、依頼をする際は鑑定人の経験・鑑定方法・人柄などを見て判断して下さい。
- 筆跡鑑定の方法はどんなものがありますか?
筆跡鑑定では、以下のような様々な方法で筆記者を特定しています。
1.字画検査・・・文字の一画一画の形や長さ、止まり、転折部分の形などを細かく検査する方法です。
2.筆圧検査・・・文字の中で力を入れる箇所や力を抜く箇所を把握し、個人の識別をする方法です。
3.偽筆検査・・・画線の震え、画の継ぎ足し、筆の止まりなど不自然な痕跡を検査する方法です。
4.筆順検査・・・文字の筆順を比較して、同じであるかどうかを識別する方法です。
5.配字検査・・・文字の大きさ、書く位置、文字の間隔などを比較して識別する方法です。
- 筆跡鑑定は、どの程度の証拠能力がありますか?
筆跡鑑定は主に民事裁判で利用されます。
筆跡鑑定が提出されたら、その鑑定書が証拠として採用され、判決が下されます。
しかし、鑑定書の内容が主観的で判断基準が曖昧なものは、相手方の弁護士さんから反論されてしまいます。
また、相手方からも筆跡鑑定が提出されると、裁判官からも証拠として取り扱ってもらえない場合があります。
つまり、筆跡鑑定は民事裁判では十分に証拠能力がありますが、鑑定書の内容によっては採用されない事もあります。
では、証拠能力の高い鑑定書はどのようなものでしょう。
① 図や画像を多用していて、わかりやすいもの
② 鑑定の方法や判断基準がわかりやすいもの
③ 結論に至る理由が明確なもの
このような鑑定書が証拠として採用されます。
要するに、このような鑑定書を作れる鑑定人の実力が一番重要になります。
- 指紋は遺伝しますか?
遺伝しません。
これまでに色々な方の指紋を見てきましたが、親子の指紋は非常によく似ています。
それでも、実際に鑑定すると当然に一致はしません。
この現象は父親と母親のどちらに似るのかわからなく、どの程度似るのかもわかりません。例えるなら、親子の顔が似ていると同じような感覚です。
- 手書きの登記簿・戸籍はコピーでも解読できますか?
コピー、FAXは画質が落ちてしまうので鑑定できません。
しかし、原本をPDFに変換したものでしたら問題なく解読ができます。
また、写真でも解読ができますが、真上から正対撮影したものに限られます。
- 手書き登記簿・戸籍の解読はどのぐらいの期間がかかりますか?
手書き登記簿・戸籍の解読は、ご依頼をいただいてから1週間で報告書をおまとめします。
また、お急ぎの場合は出来る限り早急に報告書をおまとめします。
- いつ書いた文字なのか、特定できますか?
特定できません。
残念ですが、今の筆跡鑑定技術では書かれた文字がいつ頃(何年前)のものかを特定することはできません。