よくあるご質問

鉛筆で書かれた文字と、太字マジックで書かれた文字の筆跡鑑定はできますか?

鑑定できますが、ある程度の資料数が必要になります。
鉛筆と太字マジックだと線の太さに違いが発生して、画線の末節が変化するため、その部分は比較ができません。
しかし、その人が記憶している文字構成は変化しませんので、鑑定できます。

手が震えた状態で書かれた遺言書があります。筆跡鑑定はできますか?

高齢や病気などで震えた文字の遺言書はよく依頼を受けます。
その震えの程度によりますが、鑑定できます。
この場合は文字の形よりも、誤字・誤用・筆順・文字と文字の間隔などの検査を行います。

雑誌の切り抜き文字が貼られた手紙が届きました。犯人を特定する方法はありますか?

この場合は、指紋鑑定が有効です。
雑誌を切り貼りするという行動から、指で多く触っていると思いますので、犯人の指紋が残っている可能性は高いです。

意図的に真似た文字でも、筆跡鑑定できますか?

鑑定できます。
意図的に真似た文字は、形が似ていて当然です。このような場合は、文字の形状以外を見て鑑定します。
文字を真似る時は、模倣をすることに意識がとられて筆が止まったり、細かく震えたりするので、不自然な筆圧になります。

見覚えがない筆跡で、個人的内容の書かれた嫌がらせの手紙が送られてきました。筆跡鑑定で犯人の特定ができますか?

筆跡鑑定は文字を比較して、同じ人が書いたかどうかを判断するものですので、今回の場合は、嫌がらせの手紙の文字と犯人の疑いのある人物の文字が必要となります。
また、「個人的内容が書かれた」とありますが、犯人はこの情報をどうやって入手したかを考えれば、そこから、犯人が絞れるかもしれません。

筆跡鑑定に資格はありますか?

資格そのものはありません。
また、人によって学んだ学問が異なるため、鑑定の方法もバラバラとなってしまっています。

主な鑑定人の出身は、
1.元警察の出身者
2.書道家の出身者
3.筆跡心理診断の出身者

ここで、どの出身者が良いとは申しませんが、依頼をする際は鑑定人の経験・鑑定方法・人柄などを見て判断して下さい。

筆跡鑑定の方法はどんなものがありますか?

筆跡鑑定では、以下のような様々な方法で筆記者を特定しています。

1.字画検査・・・文字の一画一画の形や長さ、止まり、転折部分の形などを細かく検査する方法です。

2.筆圧検査・・・文字の中で力を入れる箇所や力を抜く箇所を把握し、個人の識別をする方法です。

3.偽筆検査・・・画線の震え、画の継ぎ足し、筆の止まりなど不自然な痕跡を検査する方法です。

4.筆順検査・・・文字の筆順を比較して、同じであるかどうかを識別する方法です。

5.配字検査・・・文字の大きさ、書く位置、文字の間隔などを比較して識別する方法です。


※詳しくは「筆跡鑑定の概要」をご覧下さい。

筆跡鑑定は、どの程度の証拠能力がありますか?

筆跡鑑定は主に民事裁判で利用されます。
筆跡鑑定が提出されたら、その鑑定書が証拠として採用され、判決が下されます。
しかし、鑑定書の内容が主観的で判断基準が曖昧なものは、相手方の弁護士さんから反論されてしまいます。
また、相手方からも筆跡鑑定が提出されると、裁判官からも証拠として取り扱ってもらえない場合があります。
つまり、筆跡鑑定は民事裁判では十分に証拠能力がありますが、鑑定書の内容によっては採用されない事もあります。

では、証拠能力の高い鑑定書はどのようなものでしょう。

① 図や画像を多用していて、わかりやすいもの
② 鑑定の方法や判断基準がわかりやすいもの
③ 結論に至る理由が明確なもの

このような鑑定書が証拠として採用されます。
要するに、このような鑑定書を作れる鑑定人の実力が一番重要になります。

いつ書いた文字なのか、特定できますか?

特定できません。
残念ですが、今の筆跡鑑定技術では書かれた文字がいつ頃(何年前)のものかを特定することはできません。

速く書かれた文字は、鑑定できますか?

文字の字画構成が把握できれば、鑑定が行えます。
但し、鑑定する文字と比較する文字の筆記速度(文字が書かれた早さ)はある程度、整合していなければなりません。
例えば、鑑定文字はサインのような殴り書きなのに対し、対照文字は丁寧にゆっくり書かれていると鑑定不能となってしまいます。