私が警察鑑識現職のころ、隠れた特技がありました。
 それは、 “死体指紋の復元と採取” です。
 どのような死体からでもモノにしてきました。
 当時、殺人事件では、「被害者の身元が割れれば、9割は事件が解決したようなものだ。」とも言われていました。
 私が実際に数々の現場に臨場した際は、それこそ、老若男女、様々な亡くなり方、死後経過の長短、特殊な臭い、があり、言葉では言い表せないほどでした。
 私の教科書となったのが、著名な法医学の先生が出版した「死体は語る」という本でした。
 この本を隈なく読んで、お手本として実践をしてきました。
 ちなみに、 “死体指紋の復元と採取” は開業してからほとんど話したことがありません。
 なぜならば、このようなことが民間で役に立つことも少ないし、
 聞いてもみんな気持ち悪がるだけで空気が沈んでしまうし、酒もまずくなってしまうからです。
 でも、現職の頃には、仏さまとなった方の思いを代弁してあげる気持ちで向き合い、特技と言えるまでになりました。
このような前向きな気持ちは、今でも変わりません。
 日々、鑑定依頼者の期待に応えるよう精度の高い鑑定を目指しています。
そして、警察現職の頃にいただいた表彰メダルは、今は文鎮として証拠品の撮影する際の重しに活用しています。
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齋藤鑑識証明研究所
 取締役会長 齋藤 保