鑑定は、事実の判断をするのが仕事である。
鑑定結果は、予測できない発見に至ることもあり、油断ができない。
思考回路を常にニュートラルにして思い込みを排除していないと新事実に気が付かない。
どんな行動でも必ず指針となる根拠がある。
根拠のない事実は、絵に描いた餅で意味をなさない。
その根拠を見出すのが鑑定の真髄と心得ている。
その時、一番困難で厄介な敵は、“自分の心”である。
心の指針を明確にするため、研究所の壁に掲げている。
それが、この「四無の心」である。
【四無の心】
・鑑(み)ること絶え間無く
・験(げん)すること限り無く
・推(すい)すること止めど無く
・成(な)すこと揺(ゆる)ぎ無し
《作・書 齋藤鑑泉(保)》
語呂は、「風林火山」調にしてリズムをよくした。
鑑定物件は、とにかく、よく見ること、重ねて見ること。
実験し、パターンを変えてまた実験し、データを得ること。
それらのデータから考えられる選択肢をすべて掲げる。
確実な結論を得る時、心は、イエスマン、ノーマン、ジャッジマンの一人3役をする。
自分の意見は、必ず自分で否定する。そのやりとりをジャッジマンが判断し、その後は揺がない。
事実を、誰よりも早く自分が知ることに心がときめく。だから、どんなに忙しくても疲れない。
が、息抜きの、登山、渓流釣り、海釣り、カラオケ、ゴルフは忘れない。
齋藤鑑識証明研究所
齋藤 保