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中学生の職場体験学習を顧みて

県立宇都宮東高校付属中学校から弊社に職場体験学習の依頼があり、先日11月17日~19日までの3日間、中学2年生3名が体験に来ました。

 

このような体験学習の受け入れは初めてだったので、どのような内容をどのように行おうか戸惑った面もありましたが、一企業の社会貢献の一環として、職場体験の趣旨に沿いながらも、弊社でしかできない体験をさせてあげようと思いました。

体験学習の趣旨を伺うと、社会貢献についての考え方や社会を支えているものへの感謝など、社会生活の基本を早いうちから培っていこうという立派な趣旨に感心したというのが本音です。それと同時に、この役目は、私たち社会人の務めでもあると改めて感じさせられました。

 

そこで、ドラマで観て「鑑識」に興味を持ったという3名の生徒の皆さんに、普段私たちが行っている指紋鑑定実務に沿って、検出・照合・鑑定書作成という大筋の部分を凝縮した特別カリキュラムで業務の流れを体験していただき、その過程で“働く意義の大切さ”を学び取ってもらうことにしました。

 

 

1日目には、“なぜ指紋は存在するのか”などの指紋にまつわる説明を行い、実際にコピー用紙に指紋を付着させ、指紋の検出までを行いました。2日目は、クリアファイルと空き缶を使って検出まで行い、3日目に、検出した3名の指紋をランダムに混ぜて、その中から自分の指紋を探してもらいました。そして、最終的には署名指印をして鑑定書を完成するところまで行なったのです。この最後の「署名指印」が、私たち鑑定人の責任の証であることも解説しました。

 

今回の職場体験学習で、“社会生活を営むにあたって、必ず責任ある行動が伴うということ”、“どのような職業だとしても、働くことが社会を支え、その結果として人の役に立っているということ”が、中学生の皆さんに伝わっていればよいなと思っています。

 

また、今回押捺した指紋は自分の“第二の顔”として記念に保管をし、50年経った時にどのようになっているのか、人生をまたいで観察するのも一考である旨を伝えて、3日間の体験学習を終えました。

 

 

若さ溢れる生徒の皆さんに指紋鑑定を伝える機会が得られたことは、私にとっても非常によい経験となりました。

 

齋藤鑑識証明研究所
取締役会長 齋藤 保