2019.06.24 鑑定人の日常

歯形、指紋、DNA鑑定の恩恵を活用するには?

 歯形指紋DNAは、個人を断定することができるので、警察では災害時の遺体からの身元確認に活用されています。

この身元確認は、遺体とは別に、遺体に該当しそうな方の個人資料が確保されて初めて個人の特定ができるのです。

歯形については、治療をした歯科医院にカルテで最低5年間は保管されていますが、各県の歯科医師会では特別災害等に対応するには、継続保管をどうしたら良いか考えているようです。ここで注目されるのは、歯形は治療したクリニックが保有しているということです。

これに対して、DNAの照合は、遺体に該当しそうな方の個人資料が本人の居宅に残留した唾液や皮膚片等が主になります。しかし、津波被害のような場合は、自宅が流されてしまうので、本人のDNAが採れないことがほとんどです。


では、指紋については個人資料の確保は可能でしょうか。

自分の押捺指紋は、各指の10本を押して作成することは簡単です。

問題は、その押捺指紋をどこに保管しておくかです。

指紋は、現在、警察庁で保管する犯罪者指紋(1100万人位)であり、同じくDNAは2005年ごろから逮捕した犯罪者からDNA資料を収集してデータベースに保管しています。

しかし、指紋とDNAは、すべての治療記録がある歯医者さんと違って、逮捕された犯罪者以外の方は当然保管されていません。そこで、当面の対処法としては、一般市民の指紋とDNAを本人居宅に保管しておくとともに、居宅以外の場所、例えば実家や親族等に預けておくダブル保管が正攻法に思います。

今や、仕事やレジャーで海外等に行かれる方は、“保険に入ったつもり”で自分の指紋だけでも残しておいた方が得策に思います。

また、近頃、日本海新潟県を中心とした地震があり、南海トラフ地震も懸念されている時節柄では、何が起きてもおかしくない時代が気にかかります。


因みに、私たちの家族は、全員の指紋掌紋を自宅と会社にダブルで保管してあります。

齋藤鑑識証明研究所
取締役会長 齋藤 保