指紋鑑定の歴史

同じ指紋を持つ人は存在しないという特性を生かして、様々な場面で指紋鑑定が活用されていますが、それは今日に至るまでに先人達の研究があるからです。
ここでは、いつの時代からどんな学者によって指紋は研究が進められてきたかをご紹介します。

歴史年表

1684年 ネへミア・グルー、ゴバルト・ビドル、マルチェロ・マルピギー博士によって指紋の研究が始まる
1823年 E・プールキンが指紋の9区分法を確立
1880年 ヘンリー・フォルズがネイチャー誌にて指紋の万人不同性について発表
1886年 フランシス・ガルトンにより指紋押捺の方法が確立
1901年 エドワード・ヘンリーがイギリス警察で指紋を活用した捜査を採用
1903年 G・ロッシェル、膨大な指紋サンプルを整理するための分類整理法を完成

指紋鑑定の始まり

1684年に英国王室医科大学特殊研究員であったネへミア・グルー博士とゴバルト・ビドル氏、イタリアのボロニヤ大学解剖学教授であったマルチェロ・マルピギー博士が指紋の個別性について記述を行なっています。
また、1823年にはドイツのブレスラウ大学生理学教授のE・プールキン博士が論文において指紋を9つに分類し、今後の指紋研究の指針となりました。

そして、この指紋を個人の識別に役立てることができないかと考えたのが、英国人のヘンリー・フォルズ博士とウィリアム・ハーシェル卿なのです。
フォルズ博士は1877年頃から東京築地病院に勤務しており、日本人の血判を押す習慣に興味を持ちました。

また、アメリカの動物学者で大森貝塚を発掘したモース博士と親交があったフォルズ博士は、大森貝塚から発掘された土器に付いた多数の指紋から個人を識別できないかと調査をしました。そして、指紋は個人により全て異なるということを確かめ、1880年にイギリスのネイチャー誌で発表したのです。

犯罪捜査への採用

1886年にロンドンで人類研究所を設立したフランシス・ガルトンは、回転印象指紋(指にインクを付けて指を回転させながら、紙に押捺する方法)を最初に採取した人物です。ガルトンは、1892年に指紋の有効性を立証し、一大著作「指紋(Finger Prints)」にて研究結果を発表しました。

そこから更に研究を加え、現代指紋法を不動のものにしたのは、イギリスのエドワード・ヘンリー卿です。
ヘンリーはガルトンの研究所で短期間指紋法について学び、実際に研究にも着手しました。そして指紋の分類法を完成させ、のちに警視庁警視総監となったヘンリーが1901年にイギリスで正式に指紋識別を採用したのが始まりです。

そして1903年にはドイツハンブルグの警視総監G・ロッシェル博士がヘンリー式にヴェセッチ式とダーエー式の要素を加え、有効な指紋の分類方式を研究完成させました。それはハンブルク式またはロッシェル式と呼ばれ日本に伝わり、現在の十指指紋の分類整理方式の基礎となっています。