こんにちは、村井文子です。
先日、とある保険会社に電話で問い合わせした際、
「声紋認証」への登録を勧められました。
保険会社としては
電話口の声の主が、果たして契約者本人かどうか?
の判定をする手段のひとつとして「声紋認証」を勧めており、
その利点とは、
電話の声だけで本人確認が可能になる点です。
従来の番号や生年月日、住所を伝えるなどのやり取りが簡略化され
よりストレスの少ない手続きになる、とのこと。
「今から一定の言葉を3回、電話口で話すだけで登録完了なので是非!」
とオペレーターのお姉さん。
しかし突然の聞き慣れない認証システムに、二の足を踏む臆病な私。。
まずは
「声紋認証」って何?
どんなところで使われているの!?
など勉強してからの登録でも遅くはないと思い、その時は、声紋認証への登録をお断りしました。
そこで、「声紋認証」を含めた 生体認証 って一体、どのような種類があるのか?
少し調べてみたいと思います。
ところで、
生体認証(バイオメトリクス認証)とは・・・
人間の身体的特徴や行動的特徴の情報を用いて、個人を判定する技術の総称。
いわば、生体そのものが持っている特徴を利用した認証方法で
歩く姿や、手や顔をかざすだけで本人確認が可能な技術のこと。
以下、生体認証の種類をいくつか調べてみました。
指紋認証
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指紋は、生体認証のなかでも一番普及している、歴史ある認証方法です。
大森貝塚から出土した 縄文式土器の表面に残されていた指紋や、日本特有である拇印(ぼいん)の習慣に興味を持った英のフォールズが科学雑誌「ネイチャー」に指紋についての論文を発表してから、日本でも1911(明治44)年から指紋法を警察で採用しています。
身近なものでは、スマホのロック解除や、入退室 などでしょうか。
手書き認証
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認証用のタブレットを用いて、手書きでサインする場合の筆跡、ストロークの速さや筆圧、位置情報や日時などを解析、照合する認証システム。
近年、ペーパーレス化や業務の電子化に伴い、電子サインなど宅急便の受け取りや金融機関、電子決済などで使用されています。
顔認証
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顔の特徴を読み取り、人を識別する方法。
手ぶらで買い物ができたり、人気の遊園地を列に並ばず、スムーズに入場が可能。
人込みのなかでも要人を瞬時に見つけられるので、要人の警護や、 はたまた出入国時、犯罪者の捜査にも活用されています。
米トランプ大統領は今年3月、2021年までに全米トップ20の空港において顔認証システムを導入するという大統領令を出しました。
日本では、出帰国手続において顔認証ゲートを既に運用しているそうですが、令和元年7月24日の羽田空港を皮切りに、成田・関西・福岡・中部・新千歳空港および那覇空港において、順次、顔認証ゲートの外国人出国手続における運用も開始する予定とのこと。
瞳の虹彩(アイリス)認証
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キャッシュレス決済やスマホへの搭載、
インドでは「アドハープログラム」という国民登録制度により、指紋認証、顔認証、そして虹彩認証の3つが併用されており、すでに10億人が登録済なのだそうです!
ちなみに、インドの認証システムは日本の企業が開発したとのこと。
静脈認証
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手のひら認証っていう静脈認証、耳にしたことがあります。
医療現場での電子カルテや、患者の個人情報を守るセキュリティ対策として
また、処置者の特定にも活用されているらしいです。
個人情報へのアクセスの際に市役所で採用されていたりも。
那珂市立図書館では、世界で初めて図書館システムに非接触型の手のひら静脈認証を導入し、カードを必要とせず図書館を利用可能になったそうです。
個人的には、カードを持っていないまま、ふらっと図書館に立ち寄ることが多いのでこれは便利ですね。
声紋認証(音声認証)
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利用者の声紋をデジタルデータに変換し、照合する方法です。
本人確認が必要な個人情報へのアクセス、社内ネットワークへのログイン、インターネット上での電子取引や、AIスピーカー等 ありますが、
最近、特に目にする機会が増えたのが、AIスピーカー。
しかし考えてみれば、平安時代要人同士が会うときは、まずは御簾(ゴザの様なもの)越しに当人同士が会話をして、本人の確証を得ていたそうですから、アナログでの声認証は遥か昔より活用されていたんですね。
ちなみに某マンションでは、
声紋認証を導入したことで、両手がふさがっていても声で鍵を開錠することができ、さらに、もし万が一第三者による脅しで開錠せざるを得ない状況になった際に緊急キーワードを言うことで、第三者に知られずに危険をセキュリティ会社に知らせることができるのだそうです。
鼻紋
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例えば、牛の鼻には鼻紋と呼ばれる線状パターンが存在していて、個体識別や血統管理のために指紋識別技術の応用によって識別する技術があるそうです。
歩行認証
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歩く姿で個人を識別する歩行認証。
個人的な話で恐縮ですが、昔、歩く姿を見るだけで歩行者がどのような性格・人物なのか?分かると豪語していた友人がおり、新手の占い師か?と、思わず笑ってしまった記憶があります。それが、まさか最新の個人識別システムに導入されていたなんて驚きです。
このように、顔や指紋、手のひら静脈や歩行動作などの特徴を事前に登録しておけば、暗証番号やパスワードを必要とせず、まさに身一つで決済やパソコンにログインなどが可能になる技術が 生体認証 です。
手ぶらでOKといった利便性の向上や、偽造のリスクが少なく、セキュリティーの強化、等といった利点があり
近い未来、さらに身近になってくるのではないでしょうか。
齋藤鑑識証明研究所
事務員 村井文子