2019.12.24 鑑定人の心模様

指紋鑑定の講演に行ってきました

 

 

12月11日、第二東京弁護士会内にあります「裁判員センター」からお招きをいただき、指紋鑑定の講演に行ってきました。

この裁判員センターには、同弁護士会の先生方が70人くらい登録していて、刑事事件に特化しようと様々な研修を実施されています。当日は指紋鑑定が課題となり、35人の精鋭弁護士が集まりました。

 

 

「指紋鑑定を学ぶ」という題目で私へご要望いただき、事前に事務局へ研修の主眼はどこにあるのですか、と確認していましたところ、弁護士が知りたいのは、指紋鑑定をはじめ、刑事事件において証拠の採取方法、関連書面がどのように作成されているのか一連の流れと、証拠資料を別の角度から読み解く方法、ということを研修し、実践的に事件の弁護に取り組む時の視点をつかもうというものでした。

    
そこで、研修の仕方としてどのようなやり方がよいか考えていたところ、警察現職の頃「現場鑑識競技会」という形式を思い出し、今回は皆さんの前で実際に証拠採取の活動を実施する形をとってみました。

現場鑑識競技会とは、県下全警察署の刑事課係長をリーダーとして、3名の刑事がワンチームとなり、警察学校の校庭に10m四方のエリアを区分し、その中に路上強盗現場を再現し、その物件に鑑識資料である指紋、足跡、血痕、毛髪、凶器等を仕込んでおき、これらの資料を残さず採取して証拠の適切な保存措置と送付手続きまでを競技するものです。


当日は、会議室の中央に強盗殺人事件の模擬現場を設定して、各弁護士には机なしの椅子だけで車座になってもらい、現場鑑識活動の進められ方を再現し、鑑識資料の採取技術、鑑識資料の収集課程、書面の作られ方等を現場に沿った活動の経過を実演しました。


そして、講演が終了後、各弁護士からは絶対に見ることができない現場活動の生の様子が把握できただけでも、書面の裏側の状況が連想できそうになったとの声をいただきました。また、採取した資料の保管状況の推移がどのようになっているのか、などの質問が多かったです。


今回、私が新しい形式の講演を実施した感じとしては、証拠物が採取される過程をもっとリアルに再現しながら、各弁護人が形式的、実体的な証拠吟味が可能になるようにし、警察の鑑識体制と互角に渡り合えるように講演することに尽きる、と学んだ一日でした。

 

 

齋藤鑑識証明研究所
取締役会長 齋藤 保