※音が出るのでご注意ください
【1.社内トラブル】
先日、某会社の代表である川村様(仮名)が、大変お困りのご様子で来所されました。
お伺いしたところ、川村様の会社に勤務されている女性社員の運転免許証が、何者かによってコピーされ、事務所内の至る所に大量にばら撒かれるという、許しがたい事態が発生してしまったとのことでした。
これは、明らかにその女性社員に対する悪質な嫌がらせであり、ご本人は深く心を痛めていらっしゃるとのこと。
同僚の方々からも「今回の嫌がらせは目に余る」といった声が上がり、職場全体の雰囲気が悪化しているというご相談でした。
被害に遭われた女性社員は、以前に事務所のコピー機に誤ってご自身の免許証を置き忘れてしまったことがあり、その際にコピーされてしまったのではないかと、憔悴したご様子でお話されていました。
※写真はイメージです。
【2.ご相談】
会社側としては、当初、指紋鑑定による犯人の特定を検討されていましたが、容疑者の見当が全くつかない状況でした。
それでも、「まずは、犯人の指紋が採取できるかどうかだけでも確認したい」という強いご意向をお持ちでした。
そこで弊社では、川村様に全社員から指紋を押捺していただくという方法を、アドバイスさせていただきました。
この方法には、犯人の特定につながる可能性があるだけでなく、全社員にご協力いただくことで、再発防止の効果も期待できます。
また、会社側が社内トラブルに対し、真摯に向き合う姿勢を示す良い機会になると考えたからです。
※写真はイメージです。
【3.社員の声】
一般的に、社内いじめやパワーハラスメントといった職場における嫌がらせは、適切な対策を講じずに放置してしまうと、社内の雰囲気が悪化し、職場の士気が低下するだけでなく、業界内での悪い噂が広まったり、大切な取引先からの評価にも影響しかねません。
今回の川村様の会社では、「このまま、もやもやした気持ちを抱えながら仕事をするのは正直辛かったので、喜んで協力したい」という社員の声もありました。
最終的には、再発防止という観点からも、全社員にご理解いただき、指紋の押捺にご協力いただくことになりました。
役員の方々や人事ご担当者様も同席される中、全社員がそれぞれ個別に面談を行い、弊社の鑑定人が同席し、慎重に指紋の押捺作業が進められました。
社員の皆様が真摯にご協力くださる姿に、私たちも心を打たれました。
※写真はイメージです。
【4.事案解決に向けて】
幸いなことに、大量にばら撒かれた用紙から複数の指紋が検出され、それらの指紋とご協力いただいた全社員の指紋を照合した結果、ついに一人の社員の指紋と一致するものが発見されました。
直ちにその社員にお話を伺い、事案が発生した状況と指紋の検出結果に基づいて、慎重にヒアリングを重ねた結果、その社員が今回の嫌がらせの犯人であることが判明いたしました。
川村様は、朝礼の場で全社員を集められ、犯人の特定に至ったことを、個人の名前を伏せて報告されました。
その後、個人情報をばら撒いた社員は、会社に居づらくなったのか、間もなく自主的に退職されたとのことです。
川村様をはじめ、社員の皆様が再び安心して働ける環境を取り戻せて、本当によかったです。
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