〇生体認証システムを潜くぐり抜けて不法入国
今から約10年ほど前、強制退去歴のある中国人の女性が空港の生体情報認証システムをくぐり抜けて不法入国をした事件が起きました。
その女性は入管難民法違反の疑いで逮捕されたのですが、どうやって生体情報認証システムをくぐり抜けたのかを調べていくと母国である中国で指の手術を受けたことが分かったのです。
この女性は、日本人の男性と偽装結婚をしたということでも逮捕されており、その取り調べを受けているとき、女性の指に違和感があることに捜査員が気付いたとのこと。女性は、両手の人差し指と親指の計4本を改変したとみられていて「中国で約130万円を払って手術をした」と話しているそうです。
自分の身分を偽るための手術があるなんて驚きですよね。とはいえ130万円はかなり高額ですが、犯罪者はそういったコストは厭わないのでしょうか。
今後のシステムはもって進化して、無人で認証ができる時代となるのでしょうが、今回のように捜査員が感じた違和感から不正に気がつくケースも良くありますので、やはり機械と人と両方が必要ですね。
〇指紋変造テープ
現在、色々な国で入国の際に指紋認証が必要になっており、日本でも導入されています。
数年前に日本で強制退去処分を受けた韓国人の女性がもう一度日本に入国するため、生体認証審査を擦り抜けようとして指紋を変造するテープを使い、さらにそのテープを製造、販売した男性らが逮捕される事件が起こりました。
もともと、この男性らは偽造旅券を販売するなどで不法入国を手助けしていたのですが、日本で生体認証審査が始まったのを機に指紋を変造するテープを売るようになりました。
テープは液状のシリコンなどを指に直接塗り、乾いた後に指から取り外す方法で作られていたそうです。このテープは13人の韓国人に販売され、うち7人がテープを指につける方法で不法入国をしたとみられています。
安全性を高めるために導入された生体認証審査なのにテープを貼るだけで突破できるなんて驚きです。
でも、悪いことをしても必ず捕まってしまうので、いくら簡単でもこういった方法を使うものではありませんね。
〇シリコン製の指による指紋認証事件
今回は数年前に海外で起きた指紋にまつわるビックリ事件について書きたいと思います。
ブラジル・サンパウロ郊外の病院で、シリコンでコピーした同僚の指を使って指紋認証していた女性医師が逮捕されました。病院を出入りするには指紋認証が必要であり、カメラにシリコン製の指を持ちこんで認証している姿が撮影されていたことから、事件が明るみに出ました。
犯行の目的は同僚の出勤記録を偽装する給与詐欺。事件の首謀者は医療室長で、その娘は3年間で1度も出勤していないのに、しっかりと給料をもらっていたそう。他にも医師や医療従事者が何名も事件に関わっており、退職することになったそうです。しかも、指だけで仕事に行かずに給料をもらっている職員が300名ほどいることも分かりました。
指紋認証を悪用して不正にお金を得ていたわけですが、シリコンで作った指を使うなんてスパイ映画などに出てきそうですよね。しかも、これだけ大規模に行われていたにもかかわらず、何年も気づかれなかったことにも驚きです。
日本ではあまり考えられない事件でした。
○いじめの犯人探しで指紋採取
いじめの犯人を探すために、担任教諭が児童の指紋を採取して処分された出来事を覚えているでしょうか?
東京の小学校で女子児童の靴に画びょうが入れられるいじめが発生し、担任教諭がその犯人を探すためにクラス全員に聞き取りをしながら指紋を採取しました。
保護者からの連絡でこのことが発覚し、担任教諭は「いじめの抑止効果があると思った」と説明。指紋の紙は他の目的には使われておらず、担任教諭がきちんと保管していました。
結局、教育委員会などは「人権を侵害する不適切な行為」としてこの教師を処分することに。また、画びょうが入れられたことに対しては深く調査されることはなかったとのことです。
このことに対して、様々な意見がでました。
「いじめを解決しようとした教師を処分し、いじめ問題を解決しないのは何故か?」
「結局いじめをなくそうなんて思っていない」
「方法が良くなかった」
「正当な理由のない個人情報の収集だ」
「傷害未遂になるのだから警察に任せるべきだった」などなど。。
個人情報が騒がれる時代に指紋採取をしてしまったのは良くなかったでしょう。指紋採取された児童たちも怖かったと思います。
しかし個人の意見として、方法は間違っていたとしても、いじめを解決しようとした先生の気持ちは汲んであげたいと思ってしまいます。
こんなことが問題にならないよう、いじめがない時代が来て欲しいと願うばかりです。
○写真で指紋が流出!?
どこかへ出かけた際、スマホで撮った写真をSNSなどにアップする人が多いと思いますが、実はその写真で個人情報が盗まれてしまう可能性があるのをご存知ですか?
写真を撮るとき無意識にピースをしてしまう方も多いですが、その写真から指紋を読み取られてしまう危険性があるのです。
最近のカメラは画素数が格段に向上し、指紋が読み取れるまでに鮮明に写るようになりました。別に、指紋を読み取られても問題ないと思う方もいるかもしれません。ですが、指紋認証が発達してきた現代において、指紋を読み取られてしまうと悪用されてしまう恐れがあります。
スマホやマンションのオートロック、銀行のATMに至るまで指紋認証で本人確認できるようになりました。もし、他人に指紋が盗まれてこれらを悪用されたら…と思うと怖いですね。今は指紋認証を利用していないとしても、今後何かしら利用する機会が出てくるかもしれません。
特にSNSは個人情報を載せている人も多いため、危険性が高まります。
対策としては、指紋が写らないポーズで撮影することが基本です。どうしてもピースで撮りたい!というときは、写真を加工してからアップするようにするといいです。
指紋認証は手ぶらで自分を証明できるとても便利なもの。上手に付き合っていけるといいですね。
〇インターホンの指紋から犯人逮捕!
事件が起こったのは9月26日の午前11時頃。
兵庫県姫路市の会社員男性の家に知らない男が侵入しました。この男は会社員男性宅のインターホンを鳴らし、反応がなかったので家に侵入し、金品を盗もうと室内にあったカバンを物色していたところ、別室で寝ていた会社員男性に気付かれて声をかけられたそうです。
「何してんの」と声をかけられた男は何も取らずに逃げ出しましたが、インターホンに残っていた指紋から容疑が発覚し、逮捕されることとなりました。
起きて来て知らない人が家の中にいたら怖いですよね。私なら間違っても声をかけることなんてできなさそうです。この会社員男性はすごい勇気の持ち主です。
それに、この犯人が指紋で誰か分かったということは、警察が指紋を所持していたということですので、もしかしたら前科などがあったのかもしれません。そう考えると、何の被害を出すことなく無事に犯人逮捕が出来て本当に良かったですね。