擦過痕からわかること

擦過痕とは、物と物とが擦れてできた痕跡を言います。だから、基本的に擦れた物と擦られた物の二つに痕跡が残ります。
その痕跡を詳細に観察すると、以下のような事わかります。

【擦過痕からわかること】

  1. 運動方向の特定
  2. 擦過物の特定
  3. 擦過回数の特定

1.運動方向の特定

壁や車などに残った擦過痕の形を見て、どの方向から擦れたかを判断します。また、擦過痕の終わりは、必ず擦れたまま抜けているか、擦れて止まったかのどちらかです。 これも、現場で何か起こったを判明していく重要な情報となるのです。

また、擦過の角度も重要です。きれいな水平のものだったら、車のような機会的な物体でありますが、 斜めだったら、人によって作られた可能性が高くなります。

2.擦過物の特定

擦過痕には、色や形が必ず存在します。例えば、車を壁に擦った場合は、車の塗料が壁に残ります。その色からどんな車が擦ったのかを特定します。 しかし、物によっては擦った時の摩擦熱で色が変化する場合もあるので、注意が必要です。

次に、擦過痕の形については、あたり前ですが、擦れた部分のみが擦過痕として残ります。なので、その形が太いのか細いのか、縞状になっているかなどを観察して、擦過物の形を想像します。

さらに、その高さも重要です。水平な角度で機会的なものならば、擦れた物を予想して、擦過痕に当てはめみると、 高さがぴったりと一致して、特定できる事がしばしばあります。

3.擦過回数の特定

現場での動きが複雑ならば、擦過痕が複数に重なる事があります。これには2つの場合が考えられます。ひとつは、同じ物が何度も擦過していること。ふたつ目は 違う物が同じ場所で擦過している事です。

いずれの場合にしても、何回の擦過があるかを特定するには、擦過痕の輪郭が重要です。 擦過痕は運動方向が一定なので、形が急激に変わったりはしません。方向が変わったり、細くなったり、太くなったりした場合は2回以上の擦過が重なりあっています。 そのように、何種類の擦過痕かをひとつひとつ分けて、現場で何が起こったのかを把握していくのです。