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指紋の豆知識

○人間以外の動物も特定できる? 1

私が指紋鑑定の仕事を始めてから、指紋が身近になりました。

刑事ドラマなどでは、ついつい鑑識に目がいってしまします。そんな中で、ふと疑問に思う事が出てくることがあります。

 

例えば、人間は指紋で個人の特定をすることができます。それでは、人間以外の動物の場合はどうでしょうか?

人間に一番身近な動物といえば、犬や猫を想像する方が多いと思います。そんな犬や猫には「鼻紋」という鼻の頭にある紋様で個体の識別ができるそうです。

 

人間の指紋と同じように「万人不同」で、同じ紋様は無いそうです。「万犬不同」「万猫不同」と言えますね。

 

もしかしたら近い将来には、指紋認証ならぬ鼻紋認証が鍵の役割を果たし、犬や猫が家の中に入る事ができるかもしれません。

犬や猫が鼻を認証機に当ててドアが開くシーンを想像すると・・・・かわいいですね。

 

○人間以外の動物も特定できる? 2

シマウマというと、ゼブラ模様が有名ですね。ゼブラ模様には、目の錯覚を利用したカモフラージュや、虫を寄せ付けないなど、いろいろな効果があるそうです。

 

そして、なんといっても、シマウマの縞模様は1頭ごとにすべて違っているそうです。「万縞馬不同」と言えますね。

シマウマは、この「万縞馬不同」の特性を生かして、群れの仲間たちを縞模様で見分けていると言われています。

 

実は、人間の指紋とシマウマの縞模様の識別方法は一緒です。なんとなく、シマウマの縞模様が指紋の紋様に似ていませんか?

 

人間の指紋には本来、物をつかみやすくしたり、触ったものを感知する役割があります。

そして研究が始まり、「万人不同」の特徴を生かした個人の特定にたどり着きました。シマウマの縞模様も野生で生きるための役割があり、そして研究の後に個体識別に役立っています。指紋や、動物の紋様はいろいろな役割をこなしていて、なかなかの働き者ですね。

 

○人間と似ている指紋をもつ意外な動物は!?

このブログの題材用に、動物の指紋についていろいろ調べていると、なんと、有袋類のコアラの指紋は、人間の指紋と似ているそうです。

ゴリラやチンパンジーなど人間を含めた霊長類に指紋があるのは想像できましたが、コアラと人間に似た指紋があるのはビックリしました。

しかも、人間とコアラの指紋は専門家でも判断が難しいそうです。

 

ちなみに、有袋類では、カンガルーを想像する方も多いと思いますが、カンガルーには指紋が無いようです。

指紋には、滑り止めの役割があるので、木に登るコアラは指紋が必要という事ですね。

 

いつの日か、弊社にコアラの指紋鑑定依頼が来る日が訪れるのでしょうか!?

 

○指紋のない人は存在するのか!?

一生変わることなく、二つとして同じ形をしているものはない指紋。

指紋の基礎知識のページでも紹介しておりますが、指紋は滑らずに物をつかむために必要であったり、触ったものを感知し、重さや温度などの必要な情報脳に伝えるといった働きがあります。

 

生活する上でとても大切な役割を持つ指紋ですが、実は生まれつき指紋が存在しない人達がいるのをご存じでしょうか?

指紋がないことにより入国時に必要な指紋が取れないため、国境通過に時間がかかることから「入国遅延病」とも呼ばれています。指紋がない原因は何なのか。

 

学者が研究し、たくさんのDNAを調査したところ「SMARCAD1」と呼ばれる遺伝子に変異がみられることが分かりました。

この変異が胎児の指紋形成に影響を及ぼし、先天的に指紋を欠如させてしまうのです。

もちろん、これはとても珍しい遺伝性の疾患で、世界でも数件しか確認されていません。

 

この生まれつき指紋がない珍しい疾患を調べたことにより、指紋について謎とされていたメカニズムがまた一つ解き明かされました。

指紋が研究されてから400年以上が経っていますが、いまだに新たな発見があるなんて、指紋って奥が深いですね。

 

○指紋って遺伝するの?

指紋は、大きく分けて渦状紋、蹄状紋、弓状紋の3種類があり、人によって違います。

例えば、渦状紋の人の子供は渦状紋なのか? でも、夫婦で模様が違うとどちらに似るのか?

 

そもそも、指紋は一人一人違うはずなのに遺伝したら、同じ指紋ができちゃうじゃないかと、思う方がいるかもしれませんが、親子であっても指紋は絶対に同じになりません。

これまでに色々な方の指紋を見てきましたが、親子の指紋は非常によく似ています。

しかし、実際に鑑定すると当然に一致はしません。

 

この現象は父親と母親のどちらに似るのかわからなく、どの程度似るのかも分からないのと同じです。

親子三人で比べてみると、お子さんがお父さん似かお母さん似か分かるので、やってみるとおもしろいかも知れません。