2015.11.24 ニューススナイパー

パリ同時多発テロと指紋鑑定

11月13日夜、パリ市内で同時多発テロが発生し、世界から一斉に注目された。最大の犠牲者を出したコンサートホールでは、立てこもった犯人3人が射殺された。その2日後、犯人の一人は「指紋から身元が特定された」(2015.11.16朝日新聞)と報じられた。この記事を見たとき、テロの混乱の中、犯人の指紋を採取し、照合していた警察鑑識の素早さに驚いた。

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事件捜査の出発は、誰の犯行かという“身元確認”であり、スピードが求められる。犯人の遺体を確保した警察では、直ちに検視場所へ指紋採取道具を持ち込み、指にインクを付けて押捺し、死体指紋を採取している。今回のように新しい死体でも、死後2~3時間で硬直が始まり、約12時間で末端の関節に及ぶため、指紋採取といっても簡単ではない。やはり、現場では鑑識専務員の俊敏な活動がうかがえる。
採取された死体指紋原紙は、パリ警視庁で直ちに前科者指紋データとコンピュータ照合され、前科者にヒットしたようだ。テロ集団のデータは、国際刑事警察機構から特別手配で世界の主な警察が共有しているから2日以内で結果が出せたのだろう。

これらの活動からすると、発見された逃走車両、銃器、アジトからも徹底した指紋採取活動が行われ、犯人の犯行以前の行動も指紋からも特定していることがうかがえる。こうした捜査が、首謀者・共犯者の究明つながるのだ。